ジャズライブ

昨日ジャズライブに行こうと思った。今日飛び込みで行ってきました。

ホントは何で最近ジャズ聞いてるとかなんでライブに行こうと思ったとか今日行くにあたってどういう準備をしたみたいな話も書こうと思ってたけど、もうとにかくライブが凄くてそんな話よりとにかくライブの話をさせて。

ライブ自体ホントに凄かったけれど、この記事で一番自慢したいことを簡潔に言うと、観客が僕一人でした。

覚王山のSTAR EYESというお店で、ベースの出宮寛之さん、ギターの成瀬明さん、ドラムの山崎隼のトリオのライブ。

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素敵なお店でした。店じゅうに色んな可愛らしい置き物だったりレトロ、アンティークな芸術品が置いてあって、立派なピアノとスピーカーがある。普通に安いです。ほとんどの料理が1000円切ってる。

18:00開場19:30開演で19:00前くらいに行って、自分以外いなくて、薄々まずいことに気付きだして「火曜の夜って俺は何でこんなタイミングで……」って後悔と緊張に苛まれてました。何がまずいって店入ってしばらくは自分1人だからまだいいんですけどしばらくしたら自分と店員さんしかいない空間にでっかい楽器持ってる人がやってきたんですよね。主役ですよね。ウッドベースですよね。本当に昨日「明日行こう!明日やってるライブはなんだ!」って調べて飛び込みで来たからお互いに顔を知ってるわけがないんですよね。気まずくて、何も気にせずピザ食べてるフリをしてました。

もうしばらくしたらギター持ってる人が来て、2人で喋りながら楽器とか機材のチューニングしてるんです。これ見てていいんですかね。こういう場所のルールとかさっぱり知らないから、ホントに知らないから店の雰囲気見るフリしてチラ見してました。演奏してるんじゃなくてただウォーミングアップで弾いてるだけなんですけど、ウッドベースもギターも迫力が凄いんですよ。もうなんか、演奏の人は来るのにお客さんは来ないしジャズバーの過ごし方とか何も分かんないしホントに帰ろうかと思いましたけど楽器の迫力が凄くて頑張って最後までいようと思いました。

最後にドラムの人が来て、数分してライブが始まりました。いやそう、始まったんですよ。俺しかいないのに。マジすんません。でも俺いなかったらどうしてたんやろ。明らかに俺を見て、

「えー、こんばんは」

会釈しか出来ないですよね。メンバーの紹介をして、1曲目が始まりました。ホントこれ言うとなんでじゃあライブ行ったの?ってなりそうですけど、ジャズの曲名とか全然知らないんでセトリとかそういうの無いです。2曲くらいしか曲名覚えてないです。でももう生演奏凄いんですよ。ウッドベースの腹に来ること来ること。あの楽器の演奏を生で見れたのはホントに最高です。ドラムもかっこよくて。ソロパートのはじけ方がたまらんですね。そしてギターはもう、自分がちょっと触ってる分、その技術力が。くっきりした音に惚れ惚れしました。

曲と曲の間のMCは完全に僕とミュージシャンの方々だけで話してました。ホントに俺いいご身分ですよね。19:30に始まって、20:20くらいまでが第一部だったんですけど、あっという間でした。単純に1曲1曲がポップとかと比べて長いってのはあるかもしれないですけど。

そしたら、第二部までの休憩の間にギターの成瀬さんが話しかけに来てくださったんですよ。「今日はありがとうございます」「ジャズはよく聞かれるんですか?」って。俺は芸能界の大御所か何かですか。こっちはもう正直に話すしかないから、「ホントに最近ジャズ聴き始めたんですけど、ジャズは生演奏のアドリブがいいって言うから来てみました」って答えたんですけど、こっちが初心者だって分かっても嫌な顔1つせずジャズのルールとか楽しみ方みたいのを説明してくれました。ジャズの歴史の漫画を読んだって俺が言って断片の知識を言ってみると、そこから広げて色んな話をしてくださるんですよ。本物のミュージシャンの方から音楽の話を聞けるって凄まじい機会だと思いませんか。本当にいい思い出になりました。

アドリブ云々の話で休憩中に俺が「白雪姫の『いつか王子様が』の色んなバージョンを聞いてみて〜」って話をしたんですけど、そしたら休憩明けて第二部の1曲目、何を演奏してくださったかと思いますか。「いつか王子様が」やってくれました。「せっかくだからリクエストも聞こうと思ってたんですよね」ってベースの出宮さんが。ビル・エヴァンスマイルス・デイヴィスウィントン・ケリー、色んな人の「いつか王子様が」を聞いてました。そして今日、いやジャズ聴き始めて1週間そこらの小童がこんな目にあっていいんですかね。今日、生で、僕のリクエストで、「いつか王子様が」を演奏してもらいました。何が起きた????

その後のMCでは俺が初ジャズライブということで、ミュージシャンの方が初めてジャズライブに行った時のお話を聞かせてもらったり、「自分も最初ジャズ聞いた時訳わかんなかったけど今は〜」みたいな話を聞かせてもらったり。本物の人達だと説得力が違うんですよ。マジで、俺は今日ここに、ジャズをちゃんと分かれる人間にいつかなることを誓います。

もうホントに最後の最後まで僕がライブを独り占めしてました。MCだったり合間の休憩だったりで色んなことを教えて頂いたので、最後の2曲くらいは3人がアドリブを回していたりテーマに戻ってきたり、っていうのが少しだけ分かって、楽譜を追うだけじゃない、今ここで行われている演奏というのを今まで聞いていたジャズよりもはっきりと楽しく感じられました。

マジであっという間に22:00になって終わりましたね。ホントに何一つ嘘書いてないです。全部今日ありました。ホントなんですよ俺も信じられんけど。もう、ジャズ、虜ですよ。また来ます。来てよかった。CD買いました。サインもらいました。2020、七夕、ジャズライブを独り占めしました。

雑多

・UNDERTALE(ネタバレ)









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やった。

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最初のとこで1時間くらい待ったけど帰ってこなくてしびれを切らして進んでしまった。待ってたら帰ってくるのか気になる。あと、最後の方でサンズに「お前知ってたんだろ? それなのになんでこんな残酷なことしてるの?」みたいな台詞言われたんだけど、もしそれが「お前攻略かなんか見てサクサク殺してるだろ?」って意味なら断じて違うっていうことをサンズに言いたい。誤解です。残酷なことしたのは普通にごめん。ちなみにこれ書いてるとき好きな実況者のUNDERTALE生放送見てる


・グラフィックイコライザー

デジ卓とかにもついてるやつ。うちの団体持ってないからAbleton Liveでそれっぽいの作った。

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Q幅は3。でもうちの団体のLive 9だから20Hzと25Hzが作れなかった。俺のPCの方は10の体験版が入ってるからちゃんと作れた。

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これでホントはスピーカーの特性を揃えてやらなきゃいけない。Change The WorldとかI.G.Y.とかHotel Californiaとか使うらしい。音の高低が万遍なく広いっていうのが理由らしいけど、割と聞き慣れてるとかが理由としてでかいらしい。聞き慣れてないしGEQも使い慣れてないから頑張って慣れないといけない。ちょっと古めの洋楽って意味だと、最近はたまたまSpotifyで流れてきたノラ・ジョーンズのDon't know whyって曲が好き。

・反響

何かのブログで「今読んでる」って言ってた反響に関する(話がメインの)本をちょっと前に読み終わった。そして間に何冊か挟んで今はハウルの動く城の原作を読んでる。まだジブリハマってるなう。そのハウルの原作の序盤に、細かい文章は省くけど「喋っても声が部屋に反響しなくて意外だった」ってニュアンスの文があって、ちょっとニヤッとしてしまった。きっといきなりお婆ちゃんになってしまって、自分の声の変化に順応できなくて、自分の出したはずの声の大きさと予想していた反響の様子が違ってびっくりしたんだと思う。ずっと音響の本ばっかり読んでたから、最近ちょっと小説を読んでまた違った面白さに感動してる。月と六ペンス面白かった。ストリックランドの価値観には憧れはあるけどあそこまでは行けないなあと思う。ブログの文章の書き方変わったでしょう。今までずっと説明文ばっかり読んでた影響で固かったんですよね。柔らかくなりすぎたかな。間を探していきます。

・シリーズ洋画

エクスペンダブルズを3まで見た。シルベスター・スタローンジェイソン・ステイサムがかっこよかった。今度オーシャンズ8を金ローでやるらしくてオーシャンズ11を見た。金曜までに13まで見ようと思う。でも字幕で見始めてしまったから金ローで締めるべきなのか悩む。

・納豆

美味しい。

・靴下

最近クロックスしか履いてなくて、先週バイト行ったとき間違えてクロックスで行ってしまってこっそりバイト先にあった誰かの靴履いてバイトしてた。それ以降スマホのカレンダーに靴って書くようになった。でも靴下ずっと履いてなくて手元に二個しかない。残りなくしたかも。あと普通にズボンとか靴買いたい。

ジブリ見た

ジブリを映画館で見た。そしてまたジグソーパズルをやった。ホントはのんびりジグソーパズルを作りながら感想でも書きたかったのだが、950ピースに必死すぎてそんな余裕が無かった。

(ネタバレあり)

風の谷のナウシカゲド戦記もののけ姫千と千尋の神隠し

この順番で見た。ナウシカはもう、小学生の時に7000回は見たのだが、映画館で見て圧倒された。こんなに面白いと思ってなかった。腐海王蟲に怯える(言い過ぎ?)風の谷の人々がいて、腐海王蟲をかつての文明の力で焼き払おうとする軍が現れ、王蟲の力を利用して戦争をする国が現れる。小学生の頃はナウシカ王蟲を何とかする話くらいにしか思っていなかったから、登場人物の多様さにびっくりした。それからナウシカがこんなにも姫としての役割を果たしているのを知らなかった。立派すぎる。

ゲド戦記はこの4本の中で一番記憶が無かった。テレビでやっていたのを断片的に見たことがあるだけだったと思う。ゲドがあの男性というのに一番驚いた。「テルーの唄」を唄うテルーという女の子以外に登場人物の名前を知らなかったから主役の少年が父親を殺すシーンで「アレン…」と言われているのを見ててっきり「ゲドは地名か何かなのかな」と思っていた。
「生と死は組をなすものだから、死を拒み不死を願うことは生を拒むこと」という考え方は目から鱗だった。でもアレンは出頭しに行くようだけど、時代的に極刑なんじゃないかと思ってしまう。なんとか命以外で罪を償ってほしい。ゲド戦記に限った話ではないが、特にこれは原作も読んでみたい。

もののけ姫ナウシカの次くらいに内容を知っていたが、やっぱり映画館でしっかり見ると今まで知らなかった色んなものが見えてきた。一番の感想は、「キャラクター達の感情に押し潰されそうだった」。もののけ姫に出てくるキャラクター達は皆とても賢いんだと思う。それでも、愚かだと分かっていても信念や誇りを持ってひたすら争う姿に圧倒された。
一族が滅びようとも恨みを晴らすために人を襲うイノシシ達や、皆を平等に扱う心の持ち主でありながら取り憑かれたかのように神殺しに向かうエボシ。サンを助けるために力尽きるも首だけになってエボシを狙うモロ、自分が人だと分かっていながら山犬として生きるサン。時代背景や呪いのことを考えれば当たり前ではあるが、優しくて人々や自然の協和を願うあのアシタカでさえ劇中で何人もの人を殺している。そんな登場人物たちの強すぎる思いや行動に押し潰されそうだった。

千と千尋の神隠しゲド戦記よりは記憶があった。ゲド戦記のクモは相手の誠の名を手に入れて相手を我がものにするのに対して、湯婆婆は相手の名前を奪って我がものにするというのが面白かった。
ゲド戦記ほどではないがそこまで記憶があったわけではないので、カオナシは自分はてっきり「何もしてこない沢山いるやつ」だと思っていて、電車に一緒に乗るカオナシとか油屋にいるカオナシとか色々種類があるのかと思っていたらまさかの全員同じやつだった。しかも普通に悪さするし。一つだけ心残りなのが、最後に千尋の顔がアップになるシーンがあったのだが、きっと髪止めが写っていたんだと思う。完全に見損ねた。紫のままだったのだろうか、そのうちDVDを借りてもう一度見てみようと思う。

取ってつけたかのように音響の話をすると、ナウシカゲド戦記を見た時に音の広がりの違いにびっくりした。この4本の中でナウシカが一番古いので当然だが、サラウンドを使っていないのだ。色々調べていると、面白い記事を見つけた。

https://www.google.com/amp/www.moviecollection.jp/news/detail.amp.html%3fp=9507

どこまで行ってもジブリである。呆れるほどジブリを借りて呆れるほどジブリを映画館で見た挙句に映画の歴史にもジブリが出てくる。ただ少し驚いたのは、どうやら5.1chといったシステム自体は1950年代から既にあったことにはあったらしい。サラウンドの歴史なども一度しっかり調べてみたい。

ナウシカゲド戦記ではサラウンドの有無で、LRの使い方も大きく変わっていた気がする。ナウシカは効果音など全てセンターが基本だが、ゲド戦記は映像に合わせてしっかりLRが振られている印象があった。前読んだ本(ナウシカくらいの頃に書かれた本)に「音の鳴るスピーカーをLR振ってしまうと音の行き着く先がそのスピーカーの位置に収束してしまうので、それよりはセンターで観客の想像力に任せた方がいい」と言ったことが書かれていたが、時代が変わり、その辺の考え方も変わってきているのが分かる。映画にアトラクション的な価値が追加されたんじゃないかと思う。それでも、音響技術が古いからと言ってナウシカが古いものだとは全く思わなかった。

読んだ本

「映画にとって音とはなにか」ミシェル・シオン著

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映画における音楽や効果音、台詞のあり方について書かれた本。1985年に書かれたものなので(訳本は1993年)かなり情報としては古い。無声映画からの変遷などについて書かれている。そのため、現在は当たり前となった映画における「音」という存在が本来どれだけの力を持っているのかという事実がひしひしと伝わってくる。今読んでいる別の本は音の持続時間を「寿命」と言ってまるで音が生きているかのように扱っているがこの本もそうで、ある日映画という世界に誕生した「音」が活躍し、時には無力さに苛まれ、自らの居場所や存在意義を探す姿が描かれている。また、現在は当たり前になってしまったため言語化されずに感覚で取り扱われてしまうような音の分類などがしっかりと書かれていて、音に対する認識を改めるにはとても良い一冊だった。

「Sound Design 映画を響かせる「音」のつくり方」デイヴィッド・ゾンネンシャイン著

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同じく映画での音について書かれた本だが、こちらは映画音響を目指す人のステップアップに重きをおいた本だ。音の科学的な側面や文化的な側面に触れたうえで様々な例に触れながら映画の音をデザインする方法を学ぶことが出来る。実際に有名な映画で使われた特徴的な音についてのインタビューが豊富に載っていて、映画好きな人も楽しめると思う。効果音作成、フォーリーについての話は自分が今まであまり知らない領域だったので読んでいてとても面白かった。

「CDでわかる 音楽の科学」岩宮眞一郎 著

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自分が音の科学的な部分に興味を持ったきっかけの本。音や音楽の様々な特徴、そしてその原因を分かりやすく、素人にも興味が持てるように書かれている。科学の力を利用した(もしくは科学の力で解明された)不思議な音楽が掲載されていて、いつか音響効果として使ってみたいと思っている。

「音のなんでも小事典―脳が音を聴くしくみから超音波顕微鏡まで」日本音響学会

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系統としては前の一冊と全く同じだが、より多くのことを一歩踏み込んで書かれている。自分たちが聞いている音についても詳しく書かれているが、特徴的なのはタイトルにある超音波顕微鏡などのように音を利用した技術が多く紹介されていることで、普段生活している分には感じられない音の未知の側面を感じることが出来る。

サウンド・クリエイターのための、デジタル・オーディオの全知識」柿崎景二 著

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物体が振動して生まれる音や自分たちの耳に入ってくる音というのはアナログな存在だが、そんな音がPCやCDといったデジタルの世界でどのように存在しているかを示した本。PCで音声ファイルを扱っていると目にする様々な数字や名称について素人でも分かるように具体的に書かれている。しかし自分がこの本を読んで感じたのはこの本の意図とは真逆のことで、普段自分がCDやYouTubeで聴く音楽はすべてデジタルという世界を一度通ってしまった音なわけで、むしろ自分は純粋なアナログの音楽、つまりレコードや生演奏に対して強い思いを抱くようになった。

Ableton Live 10 攻略BOOK」竹内一弘 著

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舞台音響で自分が使っているAbleton Liveの攻略本。音響オペソフトとして感覚的に使っていた様々な機能のDAWとしての本来の意味についてしっかり理解でき、また知らなかった機能で使えそうなものも多くあり、よりLiveを身近に感じることが出来た。

PA入門 基礎が身に付くPAの教科書」小瀬高夫+須藤浩 著

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ライブのPAを目指す人たちに向けて書かれた本。舞台音響も規模は違うが基本的に使う機材は同じなので機材についてかなり勉強になったが、一方で大前提として省略されている部分についてまだ全く理解していないということを痛感した。音屋として理解しておくべき音の特徴を、音そのものについての本では他の特徴と同列に扱われていた所をより詳しく解説している。

「世界のミュージック図鑑」リチャード・マレット監修

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自分は音響をやりたいと言っていながら正直音楽についてかなり疎いので、少しでも知識を増やせればと思って読んでみた。かなり古代の音楽やクラシックに重きがおかれているのは少し残念だったが、具体的な曲や音楽家を紹介しながら世界の音楽を紹介していて、基礎中の基礎としてはかなり役に立つと思う。

「音響学ABC―音・振動との出会い」

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音の科学的な側面についてより踏み込もうと買ってみたが正直な感想としては、理解できない部分が多く理解できる部分は既に他の本で知っていた、という印象。理解できなかった部分についてはもっと基礎の部分を学べそうな本を見つけたので、それを理解してから再挑戦しようと思う。

「アニソン・ゲーム音楽作り20年の軌跡~上松範康の仕事術~」上松範康

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他の本とは毛色が違う本。友達に勧められて「うたの☆プリンスさまっ♪」に一時期かなりハマっていて、今も時々音楽を聴くが、これはそのプロデューサーであり作曲家でもある上松範康さんの自伝。20年間止まることなく走り抜けたその日々には尊敬しかないし、うたプリについてより深く知れたのは読んで良かったと思った。特に20人近いアイドルが登場するうたプリという作品を語っている中で自分が好きな「一ノ瀬トキヤ」と「美風藍」(の声優)をピックアップしてくれたのは嬉しかった。この文体でこういうことを書くのは割と恥ずかしい。

「やさしい楽譜入門」大橋祐多子 著

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楽譜を読むために必要な情報が書かれている。分かりやすいと思う。

「CDつき いちばんやさしい 「プロファイル式」作曲入門 鼻歌からメロディをカタチにする!」折笠雅美 監修

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メロディに重きを置いていて、鼻歌で思いついた一節から曲を完成させるための方法が書かれている。思いついたメロディをブラッシュアップするテクニックが豊富で、またコードのつけ方も簡単ではあるが書かれているので、曲を作るときにはとても役に立つと思う。

「マスタリングの全知識 CDから配信まで」葛巻善郎 著

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CDにおける曲の並べ方やコンプレッサー、イコライザーの使い方といったマスタリングのための知識が書かれている。筆者が使っているシステムやアマチュアでマスタリングをするのにおすすめの機材も紹介されていて、その中で特に自分が興味を持ったのはADコンバーター、DAコンバーターだ。いつか扱ってみたい。アルバムの作り方は演劇における客入れ客出しにも通じるものがあると感じた。

パズル

近所の電気屋に売ってあった。

 

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先月たくさんジブリを見たのと(トトロは見なかったけど)たまにはパズルなんかもいいなということで買った。

 

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まずはトトロの方。魔女の宅急便のサントラを聴きながら。立体と言えど。たかが42ピース。心も体も若々しい花の20歳が瞬殺してやる。

 

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なんだこれは。明らかに足ではないか。

 

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どう見ても耳と手。大人をなめるな。

 

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腹パーツを装着。かなりいい感じ。楽しい。

 

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出来た。だいたい35分。ちょうど魔女の宅急便のサントラが終わった。なかなかいいタイムではなかろうか。

けっこう可愛い。小ささの割にずっしりしてて作った感がある。でも目玉がかなり緩いので、そのうち隻眼になりそう。

 

次は魔女の宅急便魔女の宅急便は先月見た。「おちこんだりもしたけれど、私はげんきです。」の「おちこんだ」の部分が辛すぎて普通に泣いた。

 

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取り敢えず出してみる。

 

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キキとジジ、文字、端、それ以外に分類。ピースが小さいけどまあ何とかなるだろう。

 

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簡単なところを先にやってしまった。次は外の景色が写ってる下の方が楽そう。

 

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パン美味しそう。でも残ったピースが全部黒と茶色。もうヒントがない。

 

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何とか頑張った。パンが美味しそう。でもおじさんが宅急便のリング(?)作ってくれるシーンが好きだったからあったらもっと嬉しかった。ジジが澄ました顔をしてる。お前もっとバカみたいな目だっただろ。あとちょっと。

 

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出来た。けっこう時間かかった。でも満足。先月見た9本の中で置いてあったパズルがこれしかなかったけど、これで良かった気がする。劇中シーンとかもいいけど、飾るならやっぱりチラシが綺麗。

 

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ジブリのケースも売ってたから買ってしまった。枠が濃い緑で絵が茶色だからちょっと渋すぎるかもしれない。

 

一個作ったらもっとやりたくなってしまった。近くの電気屋にはもうトトロのパズルくらいしかないから、気が向いたときに名古屋駅ジブリショップとか行ってみようかな。ちょっとジブリブーム気味。

今日頭の中をグルグルしてたこと

5月に狂ったようにジブリを観た。10本観た。いや、「メアリと魔女の花」はジブリではないから厳密には9本。実際、この映画はジブリに限りなく近いがジブリではない別のものだと感じた。こんなにジブリを観た理由はとても滑稽で、「魔女の宅急便」を観ようとprime videoを開いたらジブリが存在しなかったことにカチンと来てGEOに向かい、せっかくならと大量に借りてきたのだ。

ジブリで特に感動したのは「耳をすませば」と「思い出のマーニー」の2本。「耳をすませば」では主人公が好きな人とは違う夢の追い方を選ぶシーン、「思い出のマーニー」では2人の関係性が分かるシーンで涙が止まらなかった。「思い出のマーニー」では、主人公が電車に乗る序盤のシーンも涙が出てくる。「おもひでぽろぽろ」もとても良かったが、正直二度と見たいとは思えないくらい回想シーンが苦しかった。

映画を観るときは映画を楽しむ気持ちを損なわない程度に音に気を遣って観ているが、ジブリの映画を観ていてびっくりしたのは「風立ちぬ」の効果音だ。「風立ちぬ」の効果音は明らかに「生き物」だった。関東大震災のシーンでは地響きが鳴り渡り建物がきしむが、明らかに大地が咆哮し、木造建築が悲鳴をあげているのだ。観てもらえば分かるが比喩ではない。明らかに、地球という大怪獣がか弱い建築物を襲っている。そして飛行機。「風立ちぬ」の日本の飛行機はとにかく発展途上で、それとは真逆に主人公達が見学したドイツの飛行機は素晴らしいものとして描かれている。それらは音も対照的で、ドイツの飛行機の音は落ち着いて呼吸しているが、日本の飛行機が故障するとエンジンがむせたり咳き込んだりする。もちろん比喩ではない。

何年前の映画をレビューしているんだという話だが、初めて観たのが先月だから仕方がない。許してほしい。先月この映画を観た時には「ここまで効果音は大胆に作り上げて良いのか、アニメ映画だからなのか」と感動したのだ。

5月にこの映画を観たわけだが、6月になった今急いでブログに書いている理由は、ついさっきたまたま観た(本当にたまたま、ジブリがまた映画館でやるらしくてジブリの色んなサイトを眺めていた)「風立ちぬ」の公式サイトにこの「生き物」の話が書かれていたのだ。

プロダクションノート - 映画『風立ちぬ』公式サイト

こだわりの音
今作でSEと呼ばれる効果音を人の声で表現することに挑戦している。

びっくりした。そもそも先月驚愕した段階でこの映画の効果音について調べなかった自分にも驚愕したし、いやそんなことはどうでも良くて、自分が感動した音のこだわりが、他にもいくらでもあるだろうこだわり達を差し置いてHPに載っていたことに驚いた。あそこまで明らかに効果音に命を吹き込むのは、きっと大冒険だったに違いない。

音に命を吹き込む、なんて魅力的なんだろう。魅力的なのは無機物が出す音だけではない。世界中のSF映画やホラー映画でこの世に存在しない生き物の鳴き声が作り出されている。読んだ本についてはまた別の記事にするが、デイヴィッド・ゾンネンシャイン著の「Sound Design 映画を響かせる「音」のつくり方」という本ではSTAR WARSのチューバッカの鳴き声がどのようにして作られたかがインタビューされている。

もっと言うと、命を吹き込もうというより、音というものを生きているかのように捉える人たちがいる。部屋の響きは「ライブ(=よく反響する)」「デッド(=反響しない)」と表現される。「この部屋は音を生かす(殺す)」なのか「この部屋では音は生き生きしている(すぐ死ぬ)」なのかは自分には分からないが、音に対して命に関する単語を用いている。今読んでいるトレヴァー・コックス著の「世界の不思議な音 奇妙な音の謎を科学で解き明かす」ではそれに関して、音の反響時間に「寿命」という言葉を使っている(原文は読んでいない。原文では違う場合、訳者の田沢恭子さんの言葉ということになる)。ミシェル・シオンは「映画にとって音とはなにか」において「音は、映画において、自らの場を探すものだ。」と言う。他にも探せば音楽の感想や紹介文の中にいくらでも出てくるだろう。

では、音を生きているかのように扱う人達は見つかったが、「音は生きている!」と断言する人はいるのだろうか。場合によってはいると思う。「あの人のバイオリンの演奏は生きている」なんて話ならいくらでもあるだろうし(生きているかのように扱っている場合も多いだろうが)、少し趣旨は違うかも知れないがA(赤ちゃんの泣き声)とB(サイレン)を聞かせて「Aの音は生きている?」と聞けば「生きている」と答えてくれる人はいると思う。ただ、今自分が言いたいのはそういうことではなく、Bの音を含めた、この世界で鳴っては消えてゆく音達は生きているのかということだ。さすがに違うだろうか。Wikipedia大先生には生物の定義の欄に細胞がどうのこうのと書いてあったから違うかもしれない。でも、「風立ちぬ」など上に述べたものを見て興奮している今の自分は、「さすがに違うだろう」とは言いたくなくなっている。

細胞があれば生き物なら、たとえば科学の力で亀の甲羅に溝を掘ってレコードプレーヤーの針で読み取って音を出すことが出来たらその亀の甲羅は生きた音楽と言えるだろうか。実行したら絶対に友達がいなくなるからやらないが、それは実際どうなのだろうか。結局亀が生きているだけで亀から出る音楽は生きてはいないのだろうか。そもそもこのやり方が認められたとしてもそれは上に述べたAの音が生きているというだけであってBの音については解決していない。

そもそも亀の甲羅は音楽になるのか。CDから再生して耳に入る音は音楽だが、CDが記録しているデータは音楽なのか。CDが記録しているのがジョン・ケージ4分33秒ならCDを再生せずともそのCDを触る音や聴き終わった後の感想も音楽として含めても許してもらえる「かも」しれないが、CDが記録しているのが「風立ちぬ」のサウンドトラックで、友達と「サントラ買っちゃったんだよ(CDを棚から出すときに隣のCDと擦れる音)」「マジか(CDを受け取る際に爪とケースが当たる音)」と会話したところでそれが「風立ちぬ」のサウンドトラックになるはずがない。再生されていない音楽は音楽なのか。シュレディンガーの猫みたいだ。

頭の中で流れているものはまだ再生されていないCDよりも音楽かもしれない。想像するだけで脳の聴覚野が働いているという話を聞いたことがあるようなないような気がする。

今は取り敢えずこの辺をグルグルしている。これ以上の考えの発展はあるかもしれないし無いかもしれない。「音が生きているかどうか」にかなり話が寄ったが、少し話を戻すと、少なくとも「音を生きているかのように扱う」「音に命を与える」ことに関して反対意見はそうそう無いと思う。あるかもしれない。「生き物以外を生きているかのように扱うのは生き物に失礼だ」という考えがもしかしたら世界にはあるかもしれない。だが自分は「音が生きているかどうか」には何とも言えないが、それ以前の話については何と言えば良いのか、賛成というか、感銘を受けた。これから音を扱って何かをするときはそのスタンスを忘れないようにしようと思う。

あと、もし「音は神様です」みたいな宗教があったとしてもそういうのに入る予定はない。

【超絶誇張版】あいみょんにマジでハマってる

ずっとCD借りたりストリーミングで聞いたり、CD買ったとしてもずいぶん前のものだけだったけど、この前遂にあいみょんのシングルを発売当日に買った。

 

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https://youtu.be/yOAwvRmVIyo

 

「裸の心」めちゃめちゃいい曲。曲自体はストリーミングでずっと前に公開されてたから既に聞いていたけど、初めて聞いたときの印象を鮮明に覚えている。出だしの歌詞が

 

いったいこのままいつまで1人でいるつもりだろう

 

緊急事態宣言で自粛まっただ中、一人暮らししてる身としては(諸事情でほかの一人暮らしの人よりは4月は寂しくなかったけど)この歌詞が本当に、比喩ではなく脳にも心にも突き刺さって、冗談ではなく動揺した。

 

あいみょんがこの曲を作ったのは3年も前らしいし、このシングルの発売が決定したのはコロナ騒動の前だったはずだからまったく自粛関連とは関係ないはず(裸の心についてのあいみょんのインタビューを色々見たけど一切この偶然の話はしてなかったからむしろあいみょんは重ねられることが嫌なのかもしれない)だけど、自分からしたらそんなことは関係なくて、とにかくあいみょんが自分を救うためにこの曲を書いてくれたような気がして、危うく信仰の域に踏み入る所だった。

 

この記事の当初の予定から大幅にずれてディスクレビューごっこをしてしまったけど、今回は、自分が初めて曲単位ではなくアーティストとして応援しようと思った人、あいみょんにハマった経緯などを書こうと思っている。

 

一番最初にあいみょんの曲を聴いた時のことははっきり覚えていて、その時の印象は最悪だった。今思うとドラマチックな出会いだった気がする。映画「ラ・ラ・ランド」の二人はファーストコンタクトで中指を立てていたし、「耳をすませば」では主人公が半分冗談で訳した洋楽の歌詞「コンクリートロード」を初対面で馬鹿にされる。そんな出会い。あいみょんからしたらいい迷惑だろうけど。

 

2018年の9月に音響を担当した公演で、うさんくさい宗教のような歌を使うことになってその音探しをしていた。確か台詞のあるシーンではなかった気がするので、自分はメロディにのせた歌というよりは伴奏にあわせてアーティストが訳の分からないことを語っているような音楽を探していた。水曜日のカンパネラの「桃太郎」とかそういう方針だ(最終的には般若心経みたいなのにメロディをつけた曲を使った気がする)。

 

その音探しの中で出会ったのがあいみょんの「生きていたんだよな」。

 

https://youtu.be/EEMwA8KZAqg

 

Aメロが自殺した女の子やその周囲の状況についてひたすら喋る曲である。最悪と言った7割くらいは「探していた音のイメージと合っていない」というかなり理不尽な理由(この曲をスキップして音探しを続行しているとまたおすすめに出てきてイラッとした記憶もある)で、残りの3割は自分が死をメインに取り扱ったドラマや劇がそんなに好きではないという理由。つまり第一印象は「自分とは相容れない価値観を持ったアーティスト」で、「マリーゴールド」も出たばかりの(当時自分は「マリーゴールド」の存在すら知らなかったと思う)まだ今ほど人気な歌手では無かった彼女の曲を聴く機会はほぼ無いだろうと思っていた。名前すら覚えようとしなかった。

 

あいみょんに対するそんな印象がひっくり返ったのは同じ年の年末頃に出会った「今夜このまま」という曲である。

 

https://youtu.be/mH6LoI63buY

 

まさかこの曲を歌っているのがあの「生きていたんだよな」を歌っていた彼女だとは知らない自分は、本当に文字に起こすのが恥ずかしいけれど、その綺麗な歌声や、自分には全く共感できなくて、それなのに幻想的で心を掴んで離さない歌詞に呆然とした。本当はこの曲は歌詞よりも曲としての部分の方が好きなはずなんだけれど、曲の部分の良さを伝える語彙が無い。でも、何回聞いても、今でもこの曲は飽きない。とてもいい曲。語彙が無い。

 

MVも当時何十回と見た。最近はSpotifyで聞いているから見ないけれど、当時は1日2回くらい見てた気がする。水上のいかだ(では絶対に無い)に乗って歌うあいみょん。「あいみょん」。今となっては何の違和感も無いが、1年半前には「あいみょん」という名前の、その名前と容姿と声しか知らない女性が夜の川を進みながら歌う姿がとても印象的で目が離せなかった。このブログを書いているときにMVを久しぶりに見たが、今見ても本当に素敵だ。YouTubeでは5700万再生を越えたようだがこの曲に関してはかなり貢献していると思う。偉そうに。

 

だがこのシンガーソングライターが「生きていたんだよな」を歌っていた彼女と同じだと発覚するのはかなり早かった。年内だったと思う。本当に、心の底からショックだった。誤解を招かぬように言っておくと今は「生きていたんだよな」も好きな曲だ。歌詞については正直好きかと言われると微妙だが、曲としてはすごく良いと思うし、単純に今はあいみょんのファンなので「アンタがそういう曲をやるなら俺は聴くし応援するよ」という気持ちでいる。偉そうに。だが1年半前の彼はそうは行かなかったようで、ひたすら「今夜このまま」に閉じこもって「今夜このまま」のあいみょんだけを追い続けた。文字に起こすと気持ちが悪すぎる。ストーカーに飽き足らず好きな女の子に自分の理想を押しつける。でもそのせいで「今夜このまま」の再生数には本当に貢献したと思う。

 

あいみょんの他の曲も少し聴いてみたが、ほとんどハマれなかった。一番人気で紅白でも歌った「マリーゴールド」、あれが特に受け付けなかった。あいみょんの売りの1つでもある低い声を聞くと「生きていたんだよな」が脳裏によぎって苦しかった。「漂白」とか「満月の夜なら」は割と好きだった。聴いたら理由が分かると思う。聴かなくてもこの文章から推測は出来るだろうけれど。

 

https://youtu.be/dd1OJ0fTa9Y

 

https://youtu.be/OVKKtwDReEA

 

転機が来たのは「夢追いベンガル」や「真夏の夜の匂いがする」だったと思う。「夢追いベンガル」は当時ハマったわけではない。MVが公開されたときに1,2回聴いて「ふーん」となっただけ。当時の自分の基準的には「マリーゴールド」や「生きていたんだよな」側の曲だったのも大きい。だが、1,2回聴いただけだが、それであいみょんという人の印象は大きく変わった。

 

https://youtu.be/ViG28OU9crI

 

だいたい普通でいたいはずなのに普通より上を求めちまうしさぁ

 

今日も貯金通帳は白いカモメだな

 

噂のバンドも気にならない

 

前提として自分はあいみょんの曲の歌詞に「共感」することはほとんどない。歌詞は本当に好きだけれど。残念な話だが、恋をほとんどしていないというのが原因として大きい。だがこの曲は例外で、「生きていたんだよな」や「今夜このまま」を書いた彼女がこんなに自分に共感できる歌詞を書いたのが意外だった。そのうえMVに映っているのは紛れもなく、ライブをしているあいみょん本人。「今夜このまま」を知ってから数ヶ月経っても「あいみょん」という謎の名前のアーティストは僕にとっては謎のままだったが、この曲で一気にその存在が近くに見えた気がした。というより、自分の近くまで手を伸ばしてくれたような気がした。「今夜このまま」と「夢追いベンガル」の歌詞に「アレ」という共通の歌詞が出てくるが、「今夜このまま」という小さな箱の中でうずくまっている自分に、あいみょんが手を差し伸べてくれた気がした。

 

とはいえ、最初に述べたとおり「夢追いベンガル」はハマるに至らなかった。一番の転機は「真夏の夜の匂いがする」だ。

 

https://youtu.be/EQva8xKAZ7s

 

この曲の歌詞は正直自分にはよく分からない。恋をしてないから共感できないとかそういう次元じゃなく、普通によく分からない。それでもこの曲は怪しい魔術で聴く者を引き寄せる力を持っていると思う。聴いていると自分は小さな冒険をしているような感覚になる。信号が七色に光る大都会とか、枝先に根菜が生えている畑とか、そういう絶妙な異世界に誘われ、敵がいるわけでもないのに冒険をし、最後には元の世界に帰ってくる。曲が終わった静寂の中振り返ると「またおいで」と手を振られているような、そんな雰囲気。でもこの曲で特に好きなのは唐突に現れる「ふざけんなもうどうしよう」。聴き手の目が回る、なんだかおかしな表現だが、そんな曲だと思う。目が回って、酔って周りが見えなくなってあいみょんしか見えなくなるような曲。

 

歌の内容はそれくらいにしてとにかくこの歌を聴いたときに、何と言えば良いのか、「夢追いベンガル」で手を伸ばしてくれたあいみょんがいつまで経ってもその手を握らない自分にしびれを切らして自分の首根っこを掴んで引きずり揚げてきたような感覚があった。最新の「裸の心」にしてもあいみょんは毎回毎回色んな世界を見せてくれるが、自分にとって一番衝撃だった世界は今でもこの曲だ。この曲の訳のわからなさと謎の引力を目の当たりにして感じたことは、「もう、逃げ場は無い。『生きていたんだよな』で価値観が合わないとかそんなちっぽけなことはどうでも良くて、もう、聴く以外の道は断たれているんだ」というまるで絶望したかのような覚悟だった。

 

それからはもう身体が沼の底まで沈むのを待つのみなので、とても気が楽だった。敬遠していた曲や単純に知らなかった曲を聴いていった。「プレゼント」や「GOOD NIGHT BABY」は後から聴いて好きになった曲の中でもかなり好きな曲だ。

 

https://youtu.be/gNKWFIXeUyk

 

https://youtu.be/E6iZ-xZ8x50

 

「プレゼント」は特におすすめしたくて、この曲は落ち込んでいるときもそうでないときも、誰かを想うときも自分を想うときも、いつ聴いても心が安らぐ曲だと思う。来月DVDが発売するライブでは「GOOD NIGHT BABY」がトリを飾っているらしく、とても楽しみにしている。お金があることを祈っている。先月武道館ライブのBlu-rayを買って観たが、ライブで大きく印象が違ったのは「満月の夜なら」だ。単純にサビの一部の音程が違うと言えばそれまでだが、音源とはまた違ったキャラクターがその歌詞に書かれた想いを歌っているような印象だった。

 

以上が、自分が「あいみょん」というアーティストのファンになった経緯だ。ブログの終わり方が分からない。タイピングしていると筆が乗るというか、かなり誇張して書いた気がするが大まかには合っていると思う。ブログの終わり方が分からない。長々と絶対に恥ずかしいことを書いている。そういうブログにしていきたい。

 

あいみょんが好きだ。是非あいみょんの曲を聴いてみてほしい。