読んだ本

「映画にとって音とはなにか」ミシェル・シオン著

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映画における音楽や効果音、台詞のあり方について書かれた本。1985年に書かれたものなので(訳本は1993年)かなり情報としては古い。無声映画からの変遷などについて書かれている。そのため、現在は当たり前となった映画における「音」という存在が本来どれだけの力を持っているのかという事実がひしひしと伝わってくる。今読んでいる別の本は音の持続時間を「寿命」と言ってまるで音が生きているかのように扱っているがこの本もそうで、ある日映画という世界に誕生した「音」が活躍し、時には無力さに苛まれ、自らの居場所や存在意義を探す姿が描かれている。また、現在は当たり前になってしまったため言語化されずに感覚で取り扱われてしまうような音の分類などがしっかりと書かれていて、音に対する認識を改めるにはとても良い一冊だった。

「Sound Design 映画を響かせる「音」のつくり方」デイヴィッド・ゾンネンシャイン著

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同じく映画での音について書かれた本だが、こちらは映画音響を目指す人のステップアップに重きをおいた本だ。音の科学的な側面や文化的な側面に触れたうえで様々な例に触れながら映画の音をデザインする方法を学ぶことが出来る。実際に有名な映画で使われた特徴的な音についてのインタビューが豊富に載っていて、映画好きな人も楽しめると思う。効果音作成、フォーリーについての話は自分が今まであまり知らない領域だったので読んでいてとても面白かった。

「CDでわかる 音楽の科学」岩宮眞一郎 著

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自分が音の科学的な部分に興味を持ったきっかけの本。音や音楽の様々な特徴、そしてその原因を分かりやすく、素人にも興味が持てるように書かれている。科学の力を利用した(もしくは科学の力で解明された)不思議な音楽が掲載されていて、いつか音響効果として使ってみたいと思っている。

「音のなんでも小事典―脳が音を聴くしくみから超音波顕微鏡まで」日本音響学会

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系統としては前の一冊と全く同じだが、より多くのことを一歩踏み込んで書かれている。自分たちが聞いている音についても詳しく書かれているが、特徴的なのはタイトルにある超音波顕微鏡などのように音を利用した技術が多く紹介されていることで、普段生活している分には感じられない音の未知の側面を感じることが出来る。

サウンド・クリエイターのための、デジタル・オーディオの全知識」柿崎景二 著

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物体が振動して生まれる音や自分たちの耳に入ってくる音というのはアナログな存在だが、そんな音がPCやCDといったデジタルの世界でどのように存在しているかを示した本。PCで音声ファイルを扱っていると目にする様々な数字や名称について素人でも分かるように具体的に書かれている。しかし自分がこの本を読んで感じたのはこの本の意図とは真逆のことで、普段自分がCDやYouTubeで聴く音楽はすべてデジタルという世界を一度通ってしまった音なわけで、むしろ自分は純粋なアナログの音楽、つまりレコードや生演奏に対して強い思いを抱くようになった。

Ableton Live 10 攻略BOOK」竹内一弘 著

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舞台音響で自分が使っているAbleton Liveの攻略本。音響オペソフトとして感覚的に使っていた様々な機能のDAWとしての本来の意味についてしっかり理解でき、また知らなかった機能で使えそうなものも多くあり、よりLiveを身近に感じることが出来た。

PA入門 基礎が身に付くPAの教科書」小瀬高夫+須藤浩 著

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ライブのPAを目指す人たちに向けて書かれた本。舞台音響も規模は違うが基本的に使う機材は同じなので機材についてかなり勉強になったが、一方で大前提として省略されている部分についてまだ全く理解していないということを痛感した。音屋として理解しておくべき音の特徴を、音そのものについての本では他の特徴と同列に扱われていた所をより詳しく解説している。

「世界のミュージック図鑑」リチャード・マレット監修

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自分は音響をやりたいと言っていながら正直音楽についてかなり疎いので、少しでも知識を増やせればと思って読んでみた。かなり古代の音楽やクラシックに重きがおかれているのは少し残念だったが、具体的な曲や音楽家を紹介しながら世界の音楽を紹介していて、基礎中の基礎としてはかなり役に立つと思う。

「音響学ABC―音・振動との出会い」

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音の科学的な側面についてより踏み込もうと買ってみたが正直な感想としては、理解できない部分が多く理解できる部分は既に他の本で知っていた、という印象。理解できなかった部分についてはもっと基礎の部分を学べそうな本を見つけたので、それを理解してから再挑戦しようと思う。

「アニソン・ゲーム音楽作り20年の軌跡~上松範康の仕事術~」上松範康

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他の本とは毛色が違う本。友達に勧められて「うたの☆プリンスさまっ♪」に一時期かなりハマっていて、今も時々音楽を聴くが、これはそのプロデューサーであり作曲家でもある上松範康さんの自伝。20年間止まることなく走り抜けたその日々には尊敬しかないし、うたプリについてより深く知れたのは読んで良かったと思った。特に20人近いアイドルが登場するうたプリという作品を語っている中で自分が好きな「一ノ瀬トキヤ」と「美風藍」(の声優)をピックアップしてくれたのは嬉しかった。この文体でこういうことを書くのは割と恥ずかしい。

「やさしい楽譜入門」大橋祐多子 著

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楽譜を読むために必要な情報が書かれている。分かりやすいと思う。

「CDつき いちばんやさしい 「プロファイル式」作曲入門 鼻歌からメロディをカタチにする!」折笠雅美 監修

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メロディに重きを置いていて、鼻歌で思いついた一節から曲を完成させるための方法が書かれている。思いついたメロディをブラッシュアップするテクニックが豊富で、またコードのつけ方も簡単ではあるが書かれているので、曲を作るときにはとても役に立つと思う。

「マスタリングの全知識 CDから配信まで」葛巻善郎 著

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CDにおける曲の並べ方やコンプレッサー、イコライザーの使い方といったマスタリングのための知識が書かれている。筆者が使っているシステムやアマチュアでマスタリングをするのにおすすめの機材も紹介されていて、その中で特に自分が興味を持ったのはADコンバーター、DAコンバーターだ。いつか扱ってみたい。アルバムの作り方は演劇における客入れ客出しにも通じるものがあると感じた。