【超絶誇張版】あいみょんにマジでハマってる

ずっとCD借りたりストリーミングで聞いたり、CD買ったとしてもずいぶん前のものだけだったけど、この前遂にあいみょんのシングルを発売当日に買った。

 

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https://youtu.be/yOAwvRmVIyo

 

「裸の心」めちゃめちゃいい曲。曲自体はストリーミングでずっと前に公開されてたから既に聞いていたけど、初めて聞いたときの印象を鮮明に覚えている。出だしの歌詞が

 

いったいこのままいつまで1人でいるつもりだろう

 

緊急事態宣言で自粛まっただ中、一人暮らししてる身としては(諸事情でほかの一人暮らしの人よりは4月は寂しくなかったけど)この歌詞が本当に、比喩ではなく脳にも心にも突き刺さって、冗談ではなく動揺した。

 

あいみょんがこの曲を作ったのは3年も前らしいし、このシングルの発売が決定したのはコロナ騒動の前だったはずだからまったく自粛関連とは関係ないはず(裸の心についてのあいみょんのインタビューを色々見たけど一切この偶然の話はしてなかったからむしろあいみょんは重ねられることが嫌なのかもしれない)だけど、自分からしたらそんなことは関係なくて、とにかくあいみょんが自分を救うためにこの曲を書いてくれたような気がして、危うく信仰の域に踏み入る所だった。

 

この記事の当初の予定から大幅にずれてディスクレビューごっこをしてしまったけど、今回は、自分が初めて曲単位ではなくアーティストとして応援しようと思った人、あいみょんにハマった経緯などを書こうと思っている。

 

一番最初にあいみょんの曲を聴いた時のことははっきり覚えていて、その時の印象は最悪だった。今思うとドラマチックな出会いだった気がする。映画「ラ・ラ・ランド」の二人はファーストコンタクトで中指を立てていたし、「耳をすませば」では主人公が半分冗談で訳した洋楽の歌詞「コンクリートロード」を初対面で馬鹿にされる。そんな出会い。あいみょんからしたらいい迷惑だろうけど。

 

2018年の9月に音響を担当した公演で、うさんくさい宗教のような歌を使うことになってその音探しをしていた。確か台詞のあるシーンではなかった気がするので、自分はメロディにのせた歌というよりは伴奏にあわせてアーティストが訳の分からないことを語っているような音楽を探していた。水曜日のカンパネラの「桃太郎」とかそういう方針だ(最終的には般若心経みたいなのにメロディをつけた曲を使った気がする)。

 

その音探しの中で出会ったのがあいみょんの「生きていたんだよな」。

 

https://youtu.be/EEMwA8KZAqg

 

Aメロが自殺した女の子やその周囲の状況についてひたすら喋る曲である。最悪と言った7割くらいは「探していた音のイメージと合っていない」というかなり理不尽な理由(この曲をスキップして音探しを続行しているとまたおすすめに出てきてイラッとした記憶もある)で、残りの3割は自分が死をメインに取り扱ったドラマや劇がそんなに好きではないという理由。つまり第一印象は「自分とは相容れない価値観を持ったアーティスト」で、「マリーゴールド」も出たばかりの(当時自分は「マリーゴールド」の存在すら知らなかったと思う)まだ今ほど人気な歌手では無かった彼女の曲を聴く機会はほぼ無いだろうと思っていた。名前すら覚えようとしなかった。

 

あいみょんに対するそんな印象がひっくり返ったのは同じ年の年末頃に出会った「今夜このまま」という曲である。

 

https://youtu.be/mH6LoI63buY

 

まさかこの曲を歌っているのがあの「生きていたんだよな」を歌っていた彼女だとは知らない自分は、本当に文字に起こすのが恥ずかしいけれど、その綺麗な歌声や、自分には全く共感できなくて、それなのに幻想的で心を掴んで離さない歌詞に呆然とした。本当はこの曲は歌詞よりも曲としての部分の方が好きなはずなんだけれど、曲の部分の良さを伝える語彙が無い。でも、何回聞いても、今でもこの曲は飽きない。とてもいい曲。語彙が無い。

 

MVも当時何十回と見た。最近はSpotifyで聞いているから見ないけれど、当時は1日2回くらい見てた気がする。水上のいかだ(では絶対に無い)に乗って歌うあいみょん。「あいみょん」。今となっては何の違和感も無いが、1年半前には「あいみょん」という名前の、その名前と容姿と声しか知らない女性が夜の川を進みながら歌う姿がとても印象的で目が離せなかった。このブログを書いているときにMVを久しぶりに見たが、今見ても本当に素敵だ。YouTubeでは5700万再生を越えたようだがこの曲に関してはかなり貢献していると思う。偉そうに。

 

だがこのシンガーソングライターが「生きていたんだよな」を歌っていた彼女と同じだと発覚するのはかなり早かった。年内だったと思う。本当に、心の底からショックだった。誤解を招かぬように言っておくと今は「生きていたんだよな」も好きな曲だ。歌詞については正直好きかと言われると微妙だが、曲としてはすごく良いと思うし、単純に今はあいみょんのファンなので「アンタがそういう曲をやるなら俺は聴くし応援するよ」という気持ちでいる。偉そうに。だが1年半前の彼はそうは行かなかったようで、ひたすら「今夜このまま」に閉じこもって「今夜このまま」のあいみょんだけを追い続けた。文字に起こすと気持ちが悪すぎる。ストーカーに飽き足らず好きな女の子に自分の理想を押しつける。でもそのせいで「今夜このまま」の再生数には本当に貢献したと思う。

 

あいみょんの他の曲も少し聴いてみたが、ほとんどハマれなかった。一番人気で紅白でも歌った「マリーゴールド」、あれが特に受け付けなかった。あいみょんの売りの1つでもある低い声を聞くと「生きていたんだよな」が脳裏によぎって苦しかった。「漂白」とか「満月の夜なら」は割と好きだった。聴いたら理由が分かると思う。聴かなくてもこの文章から推測は出来るだろうけれど。

 

https://youtu.be/dd1OJ0fTa9Y

 

https://youtu.be/OVKKtwDReEA

 

転機が来たのは「夢追いベンガル」や「真夏の夜の匂いがする」だったと思う。「夢追いベンガル」は当時ハマったわけではない。MVが公開されたときに1,2回聴いて「ふーん」となっただけ。当時の自分の基準的には「マリーゴールド」や「生きていたんだよな」側の曲だったのも大きい。だが、1,2回聴いただけだが、それであいみょんという人の印象は大きく変わった。

 

https://youtu.be/ViG28OU9crI

 

だいたい普通でいたいはずなのに普通より上を求めちまうしさぁ

 

今日も貯金通帳は白いカモメだな

 

噂のバンドも気にならない

 

前提として自分はあいみょんの曲の歌詞に「共感」することはほとんどない。歌詞は本当に好きだけれど。残念な話だが、恋をほとんどしていないというのが原因として大きい。だがこの曲は例外で、「生きていたんだよな」や「今夜このまま」を書いた彼女がこんなに自分に共感できる歌詞を書いたのが意外だった。そのうえMVに映っているのは紛れもなく、ライブをしているあいみょん本人。「今夜このまま」を知ってから数ヶ月経っても「あいみょん」という謎の名前のアーティストは僕にとっては謎のままだったが、この曲で一気にその存在が近くに見えた気がした。というより、自分の近くまで手を伸ばしてくれたような気がした。「今夜このまま」と「夢追いベンガル」の歌詞に「アレ」という共通の歌詞が出てくるが、「今夜このまま」という小さな箱の中でうずくまっている自分に、あいみょんが手を差し伸べてくれた気がした。

 

とはいえ、最初に述べたとおり「夢追いベンガル」はハマるに至らなかった。一番の転機は「真夏の夜の匂いがする」だ。

 

https://youtu.be/EQva8xKAZ7s

 

この曲の歌詞は正直自分にはよく分からない。恋をしてないから共感できないとかそういう次元じゃなく、普通によく分からない。それでもこの曲は怪しい魔術で聴く者を引き寄せる力を持っていると思う。聴いていると自分は小さな冒険をしているような感覚になる。信号が七色に光る大都会とか、枝先に根菜が生えている畑とか、そういう絶妙な異世界に誘われ、敵がいるわけでもないのに冒険をし、最後には元の世界に帰ってくる。曲が終わった静寂の中振り返ると「またおいで」と手を振られているような、そんな雰囲気。でもこの曲で特に好きなのは唐突に現れる「ふざけんなもうどうしよう」。聴き手の目が回る、なんだかおかしな表現だが、そんな曲だと思う。目が回って、酔って周りが見えなくなってあいみょんしか見えなくなるような曲。

 

歌の内容はそれくらいにしてとにかくこの歌を聴いたときに、何と言えば良いのか、「夢追いベンガル」で手を伸ばしてくれたあいみょんがいつまで経ってもその手を握らない自分にしびれを切らして自分の首根っこを掴んで引きずり揚げてきたような感覚があった。最新の「裸の心」にしてもあいみょんは毎回毎回色んな世界を見せてくれるが、自分にとって一番衝撃だった世界は今でもこの曲だ。この曲の訳のわからなさと謎の引力を目の当たりにして感じたことは、「もう、逃げ場は無い。『生きていたんだよな』で価値観が合わないとかそんなちっぽけなことはどうでも良くて、もう、聴く以外の道は断たれているんだ」というまるで絶望したかのような覚悟だった。

 

それからはもう身体が沼の底まで沈むのを待つのみなので、とても気が楽だった。敬遠していた曲や単純に知らなかった曲を聴いていった。「プレゼント」や「GOOD NIGHT BABY」は後から聴いて好きになった曲の中でもかなり好きな曲だ。

 

https://youtu.be/gNKWFIXeUyk

 

https://youtu.be/E6iZ-xZ8x50

 

「プレゼント」は特におすすめしたくて、この曲は落ち込んでいるときもそうでないときも、誰かを想うときも自分を想うときも、いつ聴いても心が安らぐ曲だと思う。来月DVDが発売するライブでは「GOOD NIGHT BABY」がトリを飾っているらしく、とても楽しみにしている。お金があることを祈っている。先月武道館ライブのBlu-rayを買って観たが、ライブで大きく印象が違ったのは「満月の夜なら」だ。単純にサビの一部の音程が違うと言えばそれまでだが、音源とはまた違ったキャラクターがその歌詞に書かれた想いを歌っているような印象だった。

 

以上が、自分が「あいみょん」というアーティストのファンになった経緯だ。ブログの終わり方が分からない。タイピングしていると筆が乗るというか、かなり誇張して書いた気がするが大まかには合っていると思う。ブログの終わり方が分からない。長々と絶対に恥ずかしいことを書いている。そういうブログにしていきたい。

 

あいみょんが好きだ。是非あいみょんの曲を聴いてみてほしい。